2週間のオリンピックも、ついに終わってしまった。「五輪ロス」という言葉が新聞に載っていたが、確かに毎日のように興奮していた日々がかえってこないかと思うと、とても空しい気持ちになってくるものである。

前半は柔道でメダルを稼ぎ、後半はレスリングで金メダルを増やした。惜しむらくは吉田沙保里選手だったが、いかに人類最強女子といえども負けることはある。また次に頑張ってほしい…といって、次があるかどうかはわからない。

もっとも手に汗握ったのは何と言っても卓球で、特に男子は、決勝戦のダブルス3セット目が逸機であった。あそこをとっていればダブルスに勝ち、2勝1敗で水谷に回せた。ダブルスでそれほど調子のよさそうではなかった張継科との闘いになれば、おそらく五分五分の戦いをしたであろう。ネットやエッジが多ければ水谷が勝って金メダルをとっていたかもしれない。

女子は準決勝で負けたが、後々まで伊藤美誠選手の起用の是非が言われるだろう。すなわち、平野早矢香だったら勝っていたのではないかと。ことさら最終試合の愛ちゃんのことが言われるけれども、やっぱり第1試合の最終セットを大逆転で取られたのは痛かった。もっとも、美誠ちゃんを出したということについての異議を言う人はおそらくいないだろう。かわりに、愛ちゃんの涙に日本中の人がもらい泣きをしたことは容易に想像がつく。日本人のほとんどの人にとって、自分の娘や妹のような気持ちになっている。物心ついたときからという言葉があるが、彼女が物心ついたころからわれわれは彼女のことをよく知っているのである。

閉会式ではマラソンの表彰式が行われる。4年後は是非ともその一番高いところに日本人選手が上ってほしいものである。そして、多くの選手の前で君が代が聞きたいものである。

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