ロシアは北方領土を返すつもりはあるのか
2016/09/03
プーチン大統領と安倍総理がウラジオストックで会談し、今年の12月に安部総理の地元の山口で再び会談することが決まったという。その際、平和条約の締結と北方領土の返還が話題に上ると考えられている。北方領土の返還という日本の悲願が果たして達成されるのか。
それにしても、ロシアには常に煮え湯を飲まされてきたという思いはある。さかのぼれば日清戦争直後の三国干渉であり、終戦直前の日ソ不可侵条約の一方的破棄から満州への侵略があった。それに伴ったシベリア抑留では100万の日本人が過酷な労働をさせられた。
戦後になって、サハリン沖でのサハリン沖での天然ガス開発では、巨額の投資を日本にさせておきながら、いろいろと難癖をつけてこれらを取り上げた。右手で握手をしながら左手で殴りあう相手という表現がぴったりの国である。
現在、資源価格の下落でロシア経済はずいぶん落ち込んでいるといわれる。加えて、ウクライナ侵攻による経済制裁が効いているともいう。これだけ聞くと、ロシアはアップアップでわらをもすがる気持ちではないかとも思うが、中国などからの「制裁逃れ」によってそれほど困っているわけではないのだろう。
領土問題は、結局戦争でしか解決しないという意見がある。平和裏に領土を変化するということになれば、相当な対価を払わなければならない。沖縄返還の際にも、相当な金額をアメリカ側に払った上、施政権は日本のほうに戻ってきたが、実質的に沖縄はアメリカの植民地状態である。
ロシアから北方領土を取り返すということになれば、一体どれほどのお金がかかるのか。沖縄ほどの広さも人もいないところにそれほどの価値があるのかという意見も出てこよう。だが、そういってしまっては領土というものは守ることはできなくなってしまう。
とはいいながら、プーチン亡き後は領土返還はできないのではないかという意見もある。エリツィンのときに戻って来そうになったことがあった。ところが、すぐその後に日本の外交官がスパイとして捕らえられた。これは、エリツィンに対する嫌がらせであろうといわれている。こういう嫌がらせあるいは国内世論をを抑えられるのはプーチンのような強権を持った人間でなければならないということだ。
日本は憲法第9条により、紛争解決のための戦争はしないということになっている。もしも、戦争をしなければ還ってこないのであれば、中原街道沿いに掲げられている「帰れ北方領土」の看板は、未来永劫そのままということであろうか。
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