たまには古典も読んでみる。もっとも、平家物語は擬古文と呼ばれる範疇に入るようだから、こちらも当然同様だろう。

教科書に載るようなものはいくつか当然読んではいるが、ほとんどのものは始めてお目にかかる。笛の形がどうしたとか、読んでもなんの意味もないことも含まれているが、自慢も含めて、示唆に富んだものが多く、いわば古老に昔の話を聞いているようなところもある。

かなりの研究がなされていて、それぞれの出展までつまびらかにされているところには驚いた。われわれが、いい加減な聞きかじりでものをいっているのとは違うということになる。

貴族の一員として育った兼好にとって、鎌倉から室町にいたろうという時期は、すでに時代の中心から取り残された立場であっただろう。そういう人達が、知識人たる貴族というものの矜持を人に示したということもいえるのかもしれない。

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