トイレの紙はシングルかダブルか
2020/05/07
やっとこのところトイレットペーパーが出てきて、安心して座っていられるようになった。
言うまでもないことだが、トイレットペーパーにはシングルとダブルがあって、少し前に「チコちゃん」にも出ていた。
素人的には、ダブルの方がコストがかかると考える。
重ねる手間がかかるからだ。
ところが、実際にはシングルの方がかかっているのだというのがその時の番組だった。
各家庭で好き嫌いがあるのだろうと思うが、私はダブルを選ぶ。
我が家も月島矯正歯科もダブルである。
ところが、世の中にはシングルが好きな人がいて、例えば駅のトイレのような公共のところでダブルの紙にお目にかかったことがない。
公共のところのみならず、歯医者のようなところでもシングルが置かれていることの方が多い。
歯医者のようなところは、どこかの業者に発注して1箱100個入とかいった具合に買う。
つまりその発注者がシングルを選ぶのである。
では彼らのお宅ではどちらを使っているのだろうと思うが、聞いたことがない。
聞いたことがないばかりか、だれが発注しているのかさえ院長ですら把握していないことの方が多い。
ごくたまにしか使わない私からしてみれば、誰かが自分の好みを他人に押し付けているようにしか感じられない。
ごくたまにしか使わないからいいのだが、毎日これを使わされるのではたまらないと感じる。
昔の紙は厚手で腰があったからシングルでよかったのだ。
1回分を引きだすのに2倍の仕事をしなければならない。
誰にも自分の好みの長さというものがあるだろう。
ダブル派にはこの長さがイラつくのだ。
思うに、これは単なる忖度ではないのか。
つまり、トイレットペーパーを選択する人は、普段自分は使わないものをわざわざ選ぶということだ。
それは、世の中の人はダブルではなくてシングルをこそ使うのではないかという忖度である。
それは、自分の好みというある種の「恣意」によって選んだといわれたくないということである。
そう考えてくると、世の中的にはシングルのトイレットペーパーが売られているが、実際にはそれほどは喜んでは使われていないのではないかとも思える。
「チコちゃん」の中で、メーカー側としてはダブルだけの方がいいんですがと言っていた。
案外、人々の忖度によってメーカーが迷惑をこうむっているということになるのかもしれない。
と、毎朝ゆっくりと座りながら考えるのである。