かくすれば かくなるものと しりながら やむにやまれぬ やまとだましい
2021/04/18
もちろん、安政の大獄で獄死した吉田松陰の辞世の句である。
これをもって、「大和魂」の創始者のようにいわれる。
松陰はどのような日本を想像していたのだろう。
そして、戦中に用いられていた大和魂という言葉をどう感じただろう。
ところで、安政の大獄を引き起こした井伊直弼の事績を考えるとき、これが彼の辞世の句であってもおかしくないと感じてしまう。
ああいう時代にあんなことをすれば、こういう結末は当然予測できよう。
古来、シーザーから、暗殺された人の多くはそれを予告されていたといわれる。
おそらく、暗殺された人の何倍も忠告された人たちはいたに違いない。
私の好きな日本史上3大暗殺というと何になるか。
乙巳の変、本能寺の変というところはある程度納得がいくところかもしれない。
そして、掉尾を飾るのが桜田門外の変であってもいい。
もし、冒頭の歌が直弼のものであったとすれば、大和魂もだいぶ居所が違っていたに違いない。
掉尾と言いながら、その後も坂本龍馬や大久保利通が殺されたのだが。