ルッキズム
2026/09/12
新聞の書評にルッキズムに関するものが載っていた。
ルッキズムとは、外見によって人を評価・差別したり、外見を過度に重視する考え方や行動のことです、と出てくる。
さらに、日本語では「外見差別」、「外見至上主義」と訳される、とも。
差別するということと、重視するということはなんだか正反対のことのように思うのだが、まあそれはいい。
医療的な技術や薬物を用いて人の心身に介入することの倫理について論じたもの、という本が紹介されている。
主に、美容整形による外見の向上が個人的な問題なのか、他者にも影響を及ぼす社会的行為なのか、その是非を論じている、というものであるそうだ。
これを敷衍するなら、じゃあ矯正治療はどうなのかというところに行きつきそうにも思える。
矯正治療をした人としない人という明らかな線引きができる今、歯並びの悪い人は矯正治療をした人の増加で、社会的に貶められてしまうのではないか、ということになるのだろう。
ただし、矯正治療がこの書物の中に現れないのは、あくまでも矯正治療という歯の治療は、かみ合わせをよくすることによる健康効果をうたっているからである。
だから、矯正治療はルッキズムの話とは一線を画しているのだと。
ただし、厚労省はそうは考えていない、ということは次々に出てくる専門医制度の改正に明らかである。
専門医取得や更新の際に、他の学会では到底考えられないような条件を付けているところから、矯正治療と美容整形は同じだと考えているということは明らかである。
「ルッキズム」という考え方は1970年代に起こった、「やせたソクラテスより太った俺の方がいい」という考え方に始まるようだ。
見た目がいい奴がどうして優遇されるんだという、反発がこういう考え方になったようである。
だけれども、反発する前にもう少しできることはやったらどうだとデブのアメリカ人を見るとどうしても思ってしまう。
見栄えのいい人たちだって、努力もしているのだということは考えてほしいと思うところもあるのだ。
ただし、結果も考えずにただ歯を動かせばそれでいいという今の「矯正治療」は果たしてどうなのか、と思うこともあるのではある。