大塚久美子社長の就任記事が載ったのは、ちょうど１カ月ほど前だったか。半年間の交代期間を経て、再び娘が社長に返り咲いた形になっていた。わずか半年で社長がころころ変わるということに、多少の違和感があった。もっとも、どこの会社だったか忘れたが、92歳が社長に就任したというところもある。社長人事というものは中の人でなければわからないいろいろなことがあるのだろうと思った。それがここにきてまたもめ始めた。会長と社長とで、会社を２分して争う形がはっきりした。現社長への交代は、会長が就任していた半年の間にお客が減ったということで、もはや時代遅れだというレッテルを貼られた末のことだったのではないかと感じる。今回の交代には、ファンドをはじめとする大株主の意向が働いたことは想像に難くない。そうだとすると、会長ががんばってみたところで、大株主は動かないのだから、どれだけ会社が棄損したとしても、古い人たちはふるい落とすという結果しか見えてこない。家具というものは、最近はほとんど買わない。デフレといわれるこの時代にあって、高級家具がそうそう売れるものではないだろう。うちなんか、大塚家具というところに行ったこともない。会員制をうたっていたそうだが、会員になってしょっちゅう家具を買うというお宅が本当にあるのだろうかという気がする。さらに言えば、最近はイケアだのニトリだのといった同業他社の進出で、老舗といわれるようなところが苦戦するのはだれが考えてもわかるところだ。

久美子社長が以前に社長を務めていたときは、ちょうどリーマンショック後の最もつらい時期だったということもある。このような時期には家具なんか買うどころではないだろう。会社があっただけでも良しとしなければならなかったのではないか。.ワンマンの先代という人たちは、自分の後継者のやることが気に入らないということはよくある。歯医者などでも、親子でやると喧嘩をするから、別々にやったほうがいいのだという話をよく聞く。歯医者が1軒つぶれても困る人はそれほどいないが、大きな会社がつぶれれば、それなりに影響は大きいだろう。会長の記者会見の際には、10人ほどの社員が後ろにくっついていた。こういう人が多ければ多いほど、結果は重大になりそうに感じる。

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