フォルクスワーゲンの燃費改ざん問題は、ヨーロッパ株式市場に多大な損害を引き起こした。最大２兆円の制裁金を米司法省に支払う可能性があるとあって、フォルクスワーゲン株は４０％ほど下げている。

一方、日本のスズキ自動車はこのフォルクスワーゲンとの資本業務提携を解消して、互いに持ち合っていた株式をそれぞれ売却するという。スズキ側は４０００億円を超える金額の株を買い戻し、フォルクスワーゲン側は７００億円程度の金額ということになるそうだ。

この株式売却を考えれば、４０％も株価が下落したこの時期に売らざるを得ないスズキが一人で損をしているように感じる。それこそ株主代表訴訟を起こしたいところだろう。このような不祥事が発覚しなければ、４００億は余分に入っていた計算である。７００億でも特別利益として３67億ほど生じるというから、もしもフォルクスワーゲンがこんなことになっていなければ８００億くらいの特別利益を計上していたはずだ。

ワーゲン株の暴落が始まる前の時点で、当然この８００億の含み益は株価に反映されていたはずだから、４００億円の暴落はそのままスズキ株の含み益の減少となったはずだ。２週間早ければ４００億円余計に入っていたと思えば、国際仲裁裁判所の決定がもう少し早ければというところだっただろう。

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