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台湾は香港化するのか

2015/11/09

習近平・馬英九会談が行われたそうである。中台分断後66年ぶりなのだそうだ。1949年の中華人民共和国建国以来ということになる。一定の緊張緩和が期待される一方、南シナ海および東シナ海の軍事バランスに影響が出るのではないかという懸念もある。

もっとも、中台分断66年といっても、それでは66年以上前は台湾と中国はひとつだったのかといえばまったくそんなことは無い。むしろ台湾が中国の一部だったことは無いとさえ言われる。それを分かれたものが再びひとつになるという言い方をされても、なんだか話がおかしいだろうという気にもなろうというものだ。

中国は、台湾にある国民党が持ち出した財宝70万点がほしいのだという解説がある。おりにつけてその「盗まれた」財宝を返せといっているのだという。台北の故宮院に展示されているのは、そのうちの3万点だという。3万点でも一通り見るのにずいぶん時間がかかる。70万点というのはいったいどれぐらいの数になるのか見当も付かない。

これらの財宝が中国に残っていたとすれば、おそらく文化大革命でことごとく破却され散逸されてしまっていただろう。仮にそうならなかったとしても、毛沢東の個人的な所有物となり、更には取り巻き達に横領されて、今では雲散霧消していたものと思われる。そういう意味ではこれらの品物は守られたともいうべきものである。

私が子供の頃、中国は国は大きいけれども経済でも軍事でも到底台湾には及ばないと教えられたし、実際にそうだっただろう。日本や台湾に経済力を持たせて中国ソ連を封じ込めるというアメリカの政策でもあったからだ。

しかし、いまや中国は経済でも軍事でも台湾をはるかにしのぐような状況になってきた。しかも、台湾経済も中国なしには立ち行かないことも確かである。一定の緊張感はあるけれども、経済的な結びつきは今以上にしたいというのが台湾側の意図だし、国民の意見も大方そういったもののようである。

仮に中国と台湾が手を結ぶ、更に統一するということになれば、おそらく中国は台湾をかつての香港のような状態にするだろう。いわゆる一国二制度というやつである。そうしたとしても、西側諸国からの反発は大きい上、台湾では大変な騒ぎとなるだろう。だが、少なくともそう言っておかなければ、未来永劫中台の一体化というものはありえない。

TPPからも取り残された台湾は、国の存亡をかけた選択を迫られる局面がいずれ来るのかもしれない。果たして台湾は香港になる道を望むのか、それとも台湾のままでいたいのか。とりあえず、まもなくやってくる総統選挙である程度の答えを国民は出すのだろう。

 

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