東京歯科大学は本当に慶応大学歯学部になるのか

東京歯科大学は、私立歯学部のトップに位置する大学である。

最近は市川病院の寺嶋教授がテレビによく出るので、つとに耳にするようになったという方も多いのではないか。

その東京歯科大学が慶応大学と経営統合を申し入れたというニュースが出た。

もうずいぶん前から慶応大学歯学部になるという噂はあった。

大体、市川病院というところは慶応大学の附属病院的な位置づけであり、寺嶋教授も当然慶応出身である。

むしろ、どうして今まで統合されなかったのかという気がしないでもない。

東京歯科大学には、かつて野口英世が学僕として働いていたことがある。

医師免許を取得したとたん、講師になったというから、周りはさぞかし驚いたことだろう。

昨日まで小間使いとして掃除をしていた人が、突然先生として教壇に立てば誰でも驚くというものだ。

それはそれとして、東京歯科大は単独で生き残れないほど財政基盤がぜい弱とも思えない。

この30年ばかり稲毛に移転していたが、ここにきて水道橋の駅前に立派な病院を建てて戻ってきた。

それでも大樹に寄り添おうという決断をしたのは、やはり歯科医界の先細りを見越したことということになろうか。

翻ってわが昭和大学である。

我々が入学する前から早稲田にという話はあった。

それが実現しなかったのは、昭和大学側の問題だといわれる。

こちらの方は、小さくとも一国一城の主でいたいという当時の経営陣の意向があったという。

少子化による学生数の減少は、いずれどの大学でも学生不足に陥る危険性をはらむ。

今後は、大学も淘汰の時代に入らざるを得ないのではないか。

となれば、昭和大学もより大きな傘の下に入ることを考えるのは当然であろう。

東京歯科大学は本当に慶応大学に入れてくれるのか。

それは昭和大学の将来でもあるように思える。