昔はピンチ法なんてものをやったもんだ
2022/05/22
矯正装置は日進月歩とは言わないが、我々が入局したころとはだいぶ変わった。
入局時にはなかったインビザラインのようなものが矯正界を席巻している。
その一方、当時はまだフルバンド法なんてものを知っているという先生が多かった。
すべての歯にバンドをつけるという、拷問のような治療である。
実際にそんなものをやったことはなかったが、バンドを調整する際に、ピンチ法なんてものがあった。
これは、既製のバンドを使うのではなくて、金属の板を使ってバンドを作るというものである。
金属の板を歯に合わせてギューッと絞って最後に接着して作るのである。
既製バンドを使うのに比べれば、大した手間だし、患者さんにとっては負担である。
そんなバンドだったが、製造を中止するというメーカーが出てきた。
バンドをやめれば、チューブもやめる。
バンドとチューブを楼着するスポットウェルダーも製造中止という話である。
かつては大臼歯は必ずバンドを使ったものだが、今やボンディングで済ませることがほとんどだ。
いずれはブラケットすらなくなる時代が来るかもしれない。
まあ、そのころには私は治療なんてしていないだろうから、どっちにしろ関係ないかな。